DX時代のキャリアパスと転職・DXで変える日本の未来
みなさんこんにちは。
前回の記事から時間があいてしまいましたが、私は元気です。(笑)
で、本日のテーマは、スバリ「DX」です。
この言葉、最近、よく耳にすることがあるのではないでしょうか?
ただ、実際のところ「デジタル化」や「電子化」のように
間違って理解されている方も多いかと思います。
ということで、せっかくの機会なので、ちょっと真面目に調べてみました。
結論から言うと、このDXは、未来の日本を考える上で、
個人と言うよりは、国家で取り組まねばならない、重要なテーマだと感じました。
本編に行く前に、まずは「本日のまとめ」です。
●この記事の対象となる方
*20代~60代で、いま現在、日本で働いている人。
*さらに今後も日本で生きていこうと考えている全ての人。
●この記事を読んで分かること(あなたにとってのメリット)
*DXという言葉の意味が分かる。
*日本が諸外国から取り残されつつある現状が分かる。
*発想や行動を変えても、間に合うかどうかの待ったなし状態。
*テクノロジーの進歩に追いついていかねばならない運命。
●最終的な結果(あなたのゴール)
*DXの到来による仕事のあり方やアプローチが変わっていく。
*知識と経験を増やして、個人としてスキルアップする必要がある。
*諦めたら、その時点でゲームオーバー。
DXとは何か?
さて、この数年、よく耳にするDXという言葉、
この内容については、詳しく分からないという方も多いのではないでしょうか。
と言うわけで、まず、言葉の説明から入ります。
DX(ディーエックス)とは
デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略です。
デジタルトランスフォーメーションとは、2004年に
スウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念です。
その意味は「ITの浸透が、人々の生活を
あらゆる面でより良い方向に変化させる」というものです。
なぜDTではなく、DXと表記されるのか?
さて、あなたも私と同様に、ある疑問が生まれてきたはずです。
デジタルトランスフォーメーションを略したら、
デジ・トラになるので、その頭の二文字を取ったら「DT」のはずです。
それなのに、なぜ「DX」と表記するのでしょうか?
・・・理由があります。
それは英語の「trans-」という接頭語を
一般的に「X」と略すことがあるからです。
そのせいで「Digital Transformation」は
↓
「DX」という風に略されます。
同様に、
移転することを意味する「transfer」(トランスファー)が
↓
「Xfer」と言う風に省略されます。
転送することを意味する「transmit」(トランスミット)も、
↓
「Xmit」と省略できます。
・・・と言うわけで、
デジタルトランスフォーメーションという長い言葉より、
一般的には略称の「DX」が普及しています。
経済産業省によるDXの定義
で、本題に戻りますが、
エリック・ストルターマン教授の言葉だけですと、
ちょっと漠然として、具体的ではないので、
次は経済産業省による定義を紹介したいと思います。
経済産業省は、
「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」で
以下のように解釈しています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、
データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、
製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、
組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
これはさっきよりはマシですが、
何をやらねばならないのか、見えません。
もうちょっと、具体的に定義したいと思います。
DXの定義のポイントは?
定義のポイントは、以下の2つです。
1. データとデジタル技術の活用
精度の高いデータと最新のデジタル技術を組み合わせることが必須です。
2. 変革・価値の創出・競争力向上が重要
デジタル技術は手段であり、目的は企業の変革です。
企業がグローバル市場で競争するためには変革が不可欠です。
変革により、新たな価値創出や競争力向上が可能となります。
はい、つまり、DXをシンプルに言えば、
“デジタル技術による企業変革”となります。
それを示したのが下記のイラスト図です。
DXとIT化の違いとは?
DXとIT化は同じように感じるかもしれませんが、
ハッキリ言って違います。(笑)
この違いも明確にしておく必要があります。
●IT化とは業務の効率化や組織の生産性向上を「目的」として
IT導入やアナログデータのデジタル化を進めるのに対し、
●DXはそれを手段の一つとしてとらえ
ビジネスモデル全体の変革をおこないます。
●つまりIT化とは、DXを実現するための「プロセス」ということになります。
具体例を挙げると「新しい会計ソフトを導入した」とか
「インターネットを高速化した」というのは、
単なるIT化の促進であり、部分的な改善どまりです。
それに対して「顧客へ提供する決済手段の選択肢を増やしたことで、
顧客と新たな接点が生まれ、顧客からのニーズが届きやすくなり、
最終的に、データの活用による全く新しい収益ビジネスが生まれた」
といった具合に、これまでの仕組みが変化することがDXです。
だいたい、イメージは湧きますか?(笑)
DXとデジタル化の違いとは?
はい、次は、デジタル化という言葉です。
デジタル化とは、従来アナログで行っていたものをデジタルに変換することです。
紙の印刷書類のペーパーレス化や、電子印鑑などがデジタル化の例です。
DXというゴールへ向かうための、最初の環境整備という位置づけです。
これは分かりやすいですよね。(笑)
●デジタル化とは、企業の「DX」を成功させるための「環境整備」です。
●DXを進めるためには、まずデジタル化という「作業」が必要となります。
DXレポート「2025年の崖」とは?
ここから先は、ちょっと怖い話です。
経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート」で、
日本国内の企業が市場で勝ち抜くためには、老朽化した既存のITシステム、
通称「レガシーシステム」を刷新していかなければ、
業務効率・競争力の低下は避けられないと書いてあります。
「2025年の崖」とは、このレポートで用いられている言葉です。
仮に日本企業がこのままDXを推進できなかった場合の
経済的な損失を、最大で年間12兆円と算出しています。
これはあくまで「年間」であり、2025年以降に、
毎年12兆円もの経済損失が生じるとして、経済産業省は強く警鐘を鳴らしているのです。
というか、毎年12兆円の損失って、どういう世界なのでしょうか?
DXを進めないと成長の機会が失われる
日本がこのままDX を進めない場合、成長の機会を失う可能性があります。
つまり、周りの国々は順調に成長していくけれど、
何も動かない日本だけが取り残される。
そんな状況でしょうか?
現在のデジタル化による製造革新や製品、サービ ス、
ビジネスの変革は様々な分野で成長への きっかけになりますが、
私たち日本は、それをみすみす失ってしまうことになります。
で、結果として、変化しない状態が続くと、取り残されてしまう。
これって、当然と言えば当然です。
日本や世界の国々が、DXを推進することは、悪いことではありません。
これまでは分散していたワークフローを一本化したり、
人力に頼っていた業務の自動化を図ることができます。
ITツールを駆使した改革により、働く人の作業負荷が減少したり、
優先度が高い他の業務へ集中することもできます。
よほど変なことをしない限り、普通に業務の生産性は上がるはずです。(笑)
一つが終われば、さらに別の分野の業務効率化を促進する、
そんな良い循環が生まれます。
DXが必要な高齢化日本
それとは別に、国内にも問題・課題があります。
年々少子高齢化が進行する中、2025年には約800万人いる団塊世代が
75歳以上の後期高齢者となり、日本はいよいよ超高齢化社会に突入します。
これは、あなたもご存知のはずです。
深刻化する人材不足対策としてDXが必要不可欠
高齢化の結果、人口が減少する以上に
生産年齢人口の減少スピードが加速し、
人材不足問題が、これまで以上に深刻化することになります。
分かりやすい表現を使うと「超・ヤバい状況」になります。
労働者を増やすには、簡単にはいきません。
まず男女が結婚して、子供を作る。
その子供が16年間以上、無事に生き続ける。
で、教育を受けたその子供が社会人として就職し、
どこかの会社で仕事を開始した時点で、やっと1カウント。
ようやく労働者が一人増えた、という結果になります。
ちなみに、この人口の件は国家的な課題だと言われ続けてきました。
今日の明日とか、数年間の話じゃなく、永久の課題です。
世界デジタル競争力ランキング:63か国中29位の日本
スイスの国際経営開発研究所(IMD)は毎年、世界各国のデジタル競争力を評価し、
「IMD世界デジタル競争力ランキング」を発表しています。
※デジタル分野の「知識」「技術」「将来への備え」の
観点から選んだ54項目を採点、集計した全63か国によるランキング
あくまで一つの目安として考えて欲しいのですが、
最新の2022年版では、先進国をはじめとする主要国63ヶ国中、日本は29位となり、
昨年の28位から、さらに順位を1つ下げました。
シンプルに、残念です。
IMD世界デジタル競争力ランキング2022
- デンマーク
- 米国
- スウェーデン
- シンガポール
- スイス
- オランダ
- フィンランド
- 韓国
- 香港
- カナダ
- 台湾
- ノルウェー
- アラブ首長国連邦(UAE)
- オーストラリア
- イスラエル
- 英国
- 中国
- オーストリア
- ドイツ
- エストニア
- アイスランド
- フランス
- ベルギー
- アイルランド
- リトアニア
- カタール
- ニュージーランド
- スペイン
- 日本
- ルクセンブルク
- マレーシア ※32位以下は省略
日本より上位であるアジア諸国を見ると、
4位シンガポール、8位韓国、9位香港、11位台湾、17位中国という結果です。
ちなみに、この数年、日本と順位争いをしているライバルは
31位にランクインしたマレーシアになっています。
この「ライバルがマレーシア」という時点で、危険だと私は思います。
いや、別にマレーシアが嫌いとかじゃありません。(笑)
だって、彼らもそれなりに頑張っていると思うからです。
ただ、同じアジアのシンガポールは、はるか上にランクインしていて、
韓国・中国・台湾にも追いつくのが困難なほど、日本との距離が開きつつあります。
なんか、この差はさらに広がっていくようにしか思えないのですが、
そう感じるのは、私だけでしょうか?
日本が最下位(63位)だった項目
●上級管理職の国際経験の無さ
(知識/人材)●機会と危機への企業の即応力の低さ
(将来への備え/ビジネスアジリティ)
●企業のアジリティの低さ、対応力の無さ
(将来への備え/ビジネスアジリティ)●企業の意思決定でのビッグデータの活用度の低さ
(将来への備え/ビジネスアジリティ)
上記の4つの要素は63位の最下位となっており、
さらに「デジタル・テクノロジーのスキル」(知識/人材)の要素は
最下位は免れたものの、62位という結果でした。
アジリティが弱点
ちなみに、アジリティという表現がよく出てきていますが、
それは「機敏性」、「敏しょう性」、「軽快さ」のことです。
ビジネス用語としてのアジリティは
経営や組織運営において、目まぐるしい環境変化に
即時に対応していく、機敏性のことを指します。
つまり、スピーディーな経営判断が出来て、
時代に合わせた柔軟な対応ができる経営ということです。
この分野に関しては、日本(日本人)が特に苦手な分野かもしれません。
テクノロジーは進化し、世界は変化し続ける
ここまで話を進めてきましたが、
「DXとか、別に自分の仕事とは関係ないし」
と言いたい人の気持ちは分かります。
だって、何でもかんでもDX推進って、絶対にどこか間違っていますよね?(笑)
私もそう思います。
ムダな情報に踊らされるのは、馬鹿げたことだと思います。
ただ、今回のDXは違います。
ある組織とか、団体とか、誰かによって仕組まれたとか、
特定の国家の意志とか、そういうことではないと思っています。
現時点で一つ言えることは、このデジタル化の流れは日本だけじゃなく、
全世界的に、同時並行で、一気に進んでいるということです。
あなたが「自分は関係ないし」と思っていても、無関係ではいられません。
テクノロジーはますます進化し、世界は勝手に変化し続けます。
スマートフォンから携帯には戻れない
テクノロジーと生活様式の変化として、ちょっと例を挙げてみます。
身近なところで言えば、携帯電話がありますよね?
つい10年くらい前までは、二つ折りタイプの携帯電話が主流でした。
当時は私も、ドコモの携帯電話を普通に使っていました。
しかし、今はアップルのiPhoneユーザーです。
この記事を読まれているあなたも、
携帯電話ではなく、スマートフォンユーザーだと思います。
かつては携帯電話だったものが、今や完全にスマートフォンに置き換わりました。
携帯ショップの陳列棚にいけば、スマートフォンがズラッと並んでいます。
この10年程度で、完全にスマートフォンの市場になりました。
あなたも同じ感想だと思いますが、スマートフォンは圧倒的に便利です。
私たちはもう、今さら携帯電話には戻れないのです。(笑)
「無関係」ではいられない世界
で、私は何が言いたいかと言うと、
携帯電話がスマートフォンに置き換わったように、
これからも様々な分野で、市場や製品やサービスが変わっていくと思っています。
個人の意志とか感情に関係なく、世界は勝手に変わっていくのです。
そして、その流れに乗り遅れたら、かなり厳しい状況になると思います。
これは通信の分野だけでなく、他の産業分野でも同じです。
例えば、決済手段を例に挙げますと、
私たちは、昔は何でも現金でモノを買っていました。
そのうち、現金ではなくクレジットカード決済が便利だと感じるようになりました。
さらに今では、電子マネー決済も一般化してきました。
さっき、例として出したスマートフォンとかは、本当に多機能です。
電話ができて、メールもできて、
写真が撮れて、音楽も聴けて、
ゲーム機になり、本も読めて、
音声で道案内してくれて、
定期券として使えて、
お財布の代わりにもなります。
もはや、何でもアリですよね?(笑)
恐らくですが、5年後はさらに進化していることでしょう。
・・・良い悪いは別として、
これが進化ということかもしれません。
ここまできたら、私たちは「知らないふり」が出来ない状態になっています。
私やあなたが「自分は関係ないし」と思っていても、
環境の変化を受け入れざるを得ません。
もはや、無関係ではいられません。
で、この状況に対する私のスタンスとしては「流れに乗る」ことにしました。(笑)
どんなに無視しても、状況は厳しくなる一方。
それなら、いっそのこと受け入れる方が得策だと思っています。
ということもあって、本日、この記事を書いているわけです。
このテーマはまだ続きますが、
現時点でのあなたへの状況報告は、ここまでにしたいと思います。(笑)
本日も最後まで読んで頂き、有難うございました。