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名著「ワークシフト」紙芝居⑥好きなことを仕事に選び、長く働く

★ 2025年 働き方の未来を変える
この記事は約9分で読めます。

【 運営者から皆さんへ 】
2025年の未来社会を予測した名著「ワークシフト」を紙しばい形式でまとめました。

なるべくPC経由でアクセスして頂き、デスクトップ等にPDF資料をダウンロード、
それをサクサクと読み進めていけば、未来が見えるはずです。

(スマートフォンだと、画面小さすぎて難しいかもしれません)

あなたが、今からどんな準備をするべきか、それも分かるはずです。
「あと5年ある」か、「たった5年しかない」か
・・・どう感じるかは、あなた次第です。

by まるきん

第4部 働き方を<シフト>する

【 第8章 第一のシフト 前半 】

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なぜ、「広く浅く」ではだめなのか?

未来の仕事の世界で成功できるかどうかを左右する要因の一つは、

その時代に価値を生み出せる知的資本を築けるかどうかだ。

 

とりわけ、広く浅い知識や技能を蓄えるだけのゼネラリストを脱却し、

専門技能の連続習得者への抜本的な<シフト>を遂げる必要がある。

 

多くの分野について少しずつ知っているのではなく、

いくつかの分野について、深い知識と高い能力を蓄えなくてはならないのだ。

 

まず、自分が選んだ専門分野の技能と知識を深める必要がある。

そしてその後も、自分の能力を高めたり、

新しい人的ネットワークを築いたりすることを通じて、

ほかの専門分野に移動したり、脱皮したりすることを繰り返さなくてはならない。

<第一のシフト>に関して、私は次の二つの資質が重要だと考えている。

専門技能の連続的習得

未来の世界でニーズが高まりそうなジャンルと職種を選び、
浅い知識や技能ではなく、高度な専門知識と技能を身につける。
その後も必要に応じて、ほかの分野の専門知識と技能の習得を続ける。

セルフマーケティング

自分の能力を取引相手に納得させる材料を確立する。
グローバルな人材市場の一員となり、
そこから脱落しないために、そういう努力が欠かせない。

いわば「何でも屋」のゼネラリスト

仕事の世界に登場したのは、主に1920年代以降のことだ。

 

徒弟制度により専門的な技能や知識を磨くケースが少なくなり、

一部の昔ながらの職種以外では、

広く浅い技能と知識を身につけたゼネラリストが主流になった。

 

特定の専門分野を持たないゼネラリストが管理職に就き、

高度な専門技能を持たない労働者が大量に出現したのである。

ゼネラリストが管理職を務めるという形態は、企業のあり方の一つの柱になった。

ゼネラリストたちは、職業人生の大半を通じて一つの会社、

もしくは一つの業界で働き続け、いわゆる「会社人間」になった。

 

そのおかげで、自分の会社を熟知し、いつでもどこでも会社の代弁者になれた。

会社の上層部と接点を持つことにより、自社の文化や精神を理解し、

会社のトップに代わってさまざまな決断を下せた。

ゼネラリストと会社の間には、社員がその会社でしか通用しない

技能や知識に磨きをかけるのと引き換えに、

会社が終身雇用を保証するという「契約」があった。

 

大企業の多くはこのような「契約」を維持し、

有望な若手社員向けの出世コースを用意する一方、

社内の幹部候補生の層を厚くすることを心がけていた。

そういう管理職たちは、会社の外で役に立つ

高度な専門技能や知識を持っていない場合もあった。

 

たとえばフォード自動車の上級管理職に必要とされる知識や人脈は

フォード特有のものなので、フォードの幹部がいきなり菓子メーカーに転職しても

幹部職の役割は務まらない可能性が高い。

 

しかし、それでも支障はなかった。

会社が生涯にわたって、働く場を保障してくれたからだ。

問題はそうした旧来の終身雇用の「契約」が崩れ始めたことだ。

ゼネラリストがキャリアの途中で労働市場に放り出されるケースが増えている。

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一社限定の知識や人脈と広く浅い技能を持っていても、大した役には立たない

広く浅い技能と知識しか蓄えていないせいで窮地に立たされるのは、

幹部レベルの管理職だけではない。

現場管理職や、情報の収集、報告書の作成、

方針の提言などを仕事にしてきた人たちも、厳しい環境におかれる

 

広く浅い知識しか持っていない「何でも屋」や、

オフィスで隣に座っている同僚や、

インド企業で同じ仕事をしている人たちとだけ、競い合えばいいわけではない。

 

最大のライバルは、ウィキペディアやグーグルアナリティクスなど、

浅い知識や分析結果を手軽に提供するテクノロジーの数々だ。

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長い時間をかけて築いてきた人脈も、

昔ほどの価値を持たなくなりつつある。

フェイスブックなどのSNSを利用すれば、

誰でも世界中に人的ネットワークを広げられる時代だ。

 

産業革命以前の職人がスペシャリストでいられたのは、

多くの場合、すべての工程を通じて自分ひとりで仕事をしていたからだ。

椅子を作るにせよ、洋服や荷押し車をつくるにせよ、

職人たちは他人の助けをほとんど借りずに、

最初から最後まで全て自力で仕上げていた。

 

しかし、この方法でつくれるのは比較的単純な製品だけだ。

分業制が取り入れられてはじめて、自動車の製造など、

複雑な課題を成し遂げることが可能になった。

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いま必要とされているのは、

昔の職人のように自分の専門分野の技能と知識を深める一方で、

ほかの人たちの高度な専門技能と知識を生かすために

人的ネットワークを築き上げることだ。

 

産業革命前とは比較にならないほど仕事の内容が複雑化しているので、

いくら専門技能や知識があっても一人では仕事を仕上げられない

一言で言えば、私たちには産業革命前の職人のような専門性と、

産業革命以降の分業体制の両方が求められるのだ。

 

ここまでの議論をまとめよう。

専門性の低いゼネラリスト的なマネジメント技能は、

特定の企業以外で通用しない場合が多い。

要するに、未来の世界では成功を収めたければ、

高度な専門技能と知識を身につけるべきなのだ。

 

そのためには、まず未来にどういう技能と知識が価値を持つかを見極める必要がある。

その上、リスクを回避するために、複数の専門分野に習熟しなくてはならない。

一言で言えば、連続スペシャリストになることが不可欠なのである。

連続スペシャリストへの道

①まず、ある技能がほかの技能よりも

高い価値を持つのはどういう場合なのかをよく考える。

未来を予測する上で、この点はきわめて重要なカギを握る。

②次に、未来の世界で具体的にどういう技能が価値を持つかという予測を立てる。

未来を正確に言い当てることは不可能だが、働き方の未来を形づくる

5つの要因に関する知識をもとに、根拠のある推測はできるはずだ。

③未来に価値をもちそうな技能を念頭に置きつつ、
自分の好きなことを職業に選ぶ

④その分野で専門技能に磨きをかける

⑤ある分野に習熟した後も、移行と脱皮を繰り返して
ほかの分野に転進する覚悟を持ち続ける。

高い価値を持つ専門技能の三条件

ほかの専門技能より高い価値を持つ技能は、以下の三つの条件を満たしている。

第一は、その技能が価値を生み出すことが広く理解されていること。

第二は、その技能の持ち主が少なく、
技能に対する需要が供給を上回っていること。

第三は、その技能がほかの人に模倣されにくく、
機械によっても代用されにくいことである。

その専門技能は、価値を生み出せるか?

ある専門技能や能力が高い価値を持つためには、

その技能なり能力なりが価値を生み出すことが誰の目にも明らかでなくてはならない。

どういうものに価値があり、どういう専門技能が価値あるものとされるかは、時代によって変わる

その専門技能には、希少性はあるか?

ある専門技能や能力が高い価値を持つためには、

その技能や能力の持ち主が少なく、そのことが一般に理解されていなくてはならない。

当然のことだが、同様の技能や能力を持つ人が大勢いれば、

その技能や能力はたいした価値を持たない。

その専門技能は、まねされにくいか?

技能や能力が高い価値を持つためには、

ほかの人に真似されにくいものである必要がある。

 

簡単にまねできる技能しか求められない職は、

最も安い賃金で働く模倣者にやすやすと奪われてしまう。

 

たとえば、DTPソフトが登場して、

それまで大勢のデザイナーを動員する必要があった仕事を

一人のデザイナーで処理できるようになった。

 

高度な表計算ソフトを導入すれば、

会社の総務、経理部門を大幅に縮小することも可能になった。

ロボットの普及が進めば、

サービス産業やケア産業の雇用がさらに奪われるかもしれない。

メット

未来に押しつぶされないキャリアと専門技能

  • キャリア1 草の根市民活動家
  • キャリア2 社会活動家
  • キャリア3 ミニ起業家

以上の三つのキャリアの道筋に加えて、未来の世界で価値が高まり、

希少になり、模倣されにくいと思われる専門技能がいくつかある。

働き方の未来を形づくる五つの要因の影響が本格化するにつれて

特に重要性を増す専門技能としては、

  • 生命科学・健康関連、
  • 再生可能エネルギー関連、
  • 創造性・イノベーション関連、
  • コーチング・ケア関連

の四つが挙げられる。

あくまでも「好きな仕事」を選ぶ

未来が予測どおりになる保証がないことを考えれば、

自分が好きなこと、そして、情熱をいだけることを職業に選ぶのが賢明だ。

 

ましてや70歳代になっても働き続けるとすれば、

本当に楽しめる職業を探したほうがいい。

 

好きなことを仕事にすれば、粘り強く努力するだろうし、

仕事にやりがいを感じやすい。

 

大量消費から充実した経験への移行という<第三のシフト>を実践した人は、

  • 楽しい経験をすること
  • ほかの人と一緒に時間を過ごすこと
  • 取り組みがいのある課題に挑むこと
  • 価値あるものを生み出すこと

を重んじるようになる。

所得と消費に変わって、経験とやりがいが

勤労の主要な原動力になるとすれば、

どう仕事を選び、どういう専門技能を習得するかを慎重に検討したほうがいい

 

未来の世界では、知識と創造性とイノベーションに土台を置く仕事に就く人が多くなる。

そういう職種で成功できるかどうかは、仕事が好きかどうかによって決まる面が大きい。

 

自分の仕事が嫌いだったり、あまり意義がないと感じていたりすれば、

仕事で創造性を発揮できない可能性が高い。

 

仕事を単調で退屈だと感じている人は、質の高いケアやコーチの仕事など出来ないだろう。

日々の仕事はさしあたり無難にこなせるかもしれないが、

大好きなことに取り組むときのようなエネルギーはつぎ込めないはずだ。

 

<つづく>

 

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