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【転職失敗】管理職で転職するあなたが入社後に実行すべき鉄則8カ条
皆さん、こんにちは。
さて、本日のテーマは管理職として「新しい職場にどう定着するか?」です。
管理職なので、年齢イメージは35歳以上の方を想定しています。
さて、大企業、中小ベンチャー企業に限らず、
転職したばかりの人間には、好奇の目が向けられます。
まるで、転校生のような感じです。
転職されたばかりのあなたが、何のトラブルもなければ、全く問題ありません。
最高にハッピーな転職だと言えるでしょう。
しかし、最初でつまずくと、ちょっと厄介です。
数カ月で退職する人
余り想像したくありませんが、場合によっては
入社後1か月で退職、または半年で退職、というケースもあります。
転職活動にも、それなりの時間をかけて、せっかく転職できたのに、
短期で離職するって、ちょっとというか、かなり残念だと思います。
希望に満ちて入社したからには、仕事の成果で判断して貰いたいですよね?
今日はそんなあなたに向けて贈ります。
あなたが、新しい職場で「ムダなイエローカード」を貰わないように。
もし、すでに一枚目を貰っていたら、二枚目を貰って、退場にならないように。
私から注意すべき8つの鉄則をお伝えしていきます。
<定着するための鉄則・まとめ>
*いい成績を挙げることも大事だが、その前に「うまく定着する」ことが大事。
*新しい職場に馴染めなければ、新参者である自分が退職しなければならない。
*仕事の成果ではなく「トップとうまくやっていけない」から退職する人が多い。
*「新しい職場にうまく馴染めないまま」会社を去っていく人も多い。
*新参者である自分は、組織に受け入れて貰うまでは「体内に入った異物」。
*危機は、入社1週間、1ヶ月、6ヶ月、1年と、繰り返しやってくる。
*「謙虚さ」「行動力」「空気を読む力」の3つが定着するためのポイント。
①入社日・初年度の心得
はい、では早速はじめます。
まず最初は、新しい職場における「初出勤日」です。
この「デビュー戦」では、あなたの人に対する姿勢が問われます。
●傲慢にならず、卑屈にならず、
やや腰の低い温厚さで、初日の挨拶、業務を済ませる。
●全員に対して、初めの印象が特に大切。
初年度は全体に謙虚な姿勢を保つ。
仲間として受け入れて貰えるか?
答えから言いますと、仕事ができるかできないかの前に、
組織の仲間に受け入れてもらえるかもらえないか?が重要ポイントです。
「この人は私たちの仲間だ」と温かく受け入れてもらえないと、
あなたに能力や、やる気があっても、力を発揮できません。
新しい仲間、組織に受け入れて貰うことができて、
そこで初めて、あなたの想いや言葉が伝わり始めます。
そのためには謙虚な姿勢が大切です。
初年度は飛ばし過ぎず、謙虚な姿勢を保ちましょう。
管理職としてのプレッシャー
特に管理職で入社した時に、勘違いが起こりやすいのです。
管理職で入ると、部下を指導しなければというプレッシャーがかかります。
入ったばかりの会社で、前の会社の部下に話すような
くだけた言葉を使っていては、新しい部下の信頼は得られません。
新しい部下を尊重する態度と言葉が必要になります。
部下だけでなく、会社全体のあらゆる人を尊重する態度と言葉が必要です。
あなたは単なる新参者
前の会社の人間関係は、新しい会社では
役に立たない可能性があることを認識しておく必要があります。
企業文化も違いますし、あなた自身の立場も違います。
前の会社では、それなりの社歴や実績を、
みんなが認識して対応してくれていましたが、
新しい会社では、あなたは単なる新参者に過ぎません。
しかも、管理職ということで、いい給料をもらっているという恵まれた立場なのです。
あなたの発言が誤解される
自分の行動や発言が、他の人に
どのような思いを生じさせているかが分からないと、
新しい職場で、うまくやっていくことは難しくなります。
よくあるパターンが「自分はこう思って発言しているから大丈夫」という考え方です。
・・・全く大丈夫ではありません。(笑)
大事なことは、その発言を聞いた周囲の人が、
あなたの意図通りに感じてくれているかどうか?なのです。
周囲の人がどう感じているかを、あなたが分からないようであれば、
新しい職場への定着は難しいと言わざるを得ません。
実例:休憩時間の同僚との会話
実際にあった話です。
転職してきたばかりの新任マネージャーが、昼休憩の時に、
「サマージャンボ宝くじに当たって、お金が入ったら働かなくていいのにね」
という軽い冗談を言われました。
それが、次の日には「今度うちに来た人は、ほんとは働きたくないようです」
と誤変換されて、トップの耳に伝わっていたという事例がありました。
これは、嘘みたいな本当の話です。(笑)
話の前後関係を知ってしまえば、よくある冗談だと分かりますが、
その部分だけ切り取ってしまえば「労働意欲が低い怠惰な人」に聴こえます。
全然、事実と違いますよね?
ちょっとした悪意
そうなんです。
あなたもお気づきの通り、ここには「悪意」が潜んでいます。
言葉尻を捕らえるのは、人をおとしめる際の、常套手段です。
ここで、私が何を言いたいのかと言うと、
「職場のみんながみんな、あなたに対して好意的とは限らない」
ということです。
なので、気を抜かないで下さい。
普段の何気ない言動にも、注意が必要です。
とりあえず、1年間は気を抜かないで下さい。
②なるべく早く出社し、残業も積極的にこなす
はい、②の見出しを見た、あなたの言いたいことは分かります。(笑)
「働き方改革」の時代に、出社時間とか、残業とか、意味があるの?
って、そう言いたい気持ちは分かります。(笑)
早く出社したからと言って、評価されるとは限りません。
多少、残業したからと言って、評価されるとは限りません。
ただ、あなたの姿勢が、信用を得る最善の方法だという考え方です。
新しい職場で、積極的に仕事に取り組む姿勢は、きっと誰かが見ています。
長い目で見れば、いつか必ず、人に評価されます。
ここでのポイントは、働くことに対して、積極的であり続けることです。
③「郷に入っては郷に従え」の精神
この「郷に入っては郷に従え」は、だいたい皆さん、ご存知だと思います。
が、一応、記載しておきます。(笑)
郷に入っては郷に従えの意味は?
●新しい環境・職場などに入ったら、
そのやり方やルールに従うべきで、その方が賢明。●社会的集団に後から入ったら、
価値観が合わなくても、ひとまず従うべきとする教え。
基本的には、新しい集団の習慣やルールに従いなさいということです。
さらに言うなら、日本はムラ社会なので、新参者に対しては冷たくあしらうので、
それを避ける意味で、まずは自らが折れて、集団に溶け込むこと。
ムダに自己主張せずに、その習慣やルールに従うのが賢明という意味になります。
●不合理と思っても、新しい会社のやり方に従う。
前の職場のことを口に出すのは禁止。
これも同じで、要するに、その会社のことを知らずして
物を言ってはいけないということです。
●新しい会社の企業文化や風土をじっくり観察し、
その上で「改善案」があれば、自分の存在が確立してから提案する。
ここでいう「改善案」とは、
組織そのものや会社・部門における
仕事全体の仕組みを変えてしまうほどの大規模な改善・改革を言います。
個人のレベルで改善や、2~3人の担当者のレベルでの業務改善は、
担当者と直属の上司から承認を得ながら、積極的に行なわなければなりません。
ただ、注意点もあります。
あなたが2~3人の担当者のレベルでの改善と考えていても、
その改善が別な人の業務に影響を及ぼす
可能性もあるので、十分な事前確認が必要です。
ここで言う事前確認を、日本語で「根回し」と言います。(笑)
自分の存在が確立してから提案する
「自分の存在って、いつ確立するの?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
誰かに言われたからではなく、
自分で「大丈夫」だと分かることが基本です。
それがわかる位の、心の余裕を持つことが大事です。
万一、自分で確信を持てない時は、慎重に事を運んだほうが良いと思います。
もう少しだけ、待ちましょう。
自分の確認不足と上司への反論
自分の考え方にこだわって、社長の感情を逆撫でした
中途入社のベテランKさんの話をします。
Kさんは、社長からの指示で、支店の社員Aさんに重要なメールを送ることになりました。
KさんはAさんにメールを送った後に、念のため、追いかけで電話しましたが、
あいにく不在だったので、同じ職場のBさんに伝言を頼みました。
Kさん:「Aさんに、Kがメールを送ったと伝えておいて貰えませんか?」
Bさん:「はい、伝えておきます」
数日後、Kさんが社長に呼ばれました。
社長:「Aさんには、まだ伝わっていないみたいだけど・・・」
Kさん:「メールは送りましたし、Bさんに伝言もしました」
社長:「Aさんが読んでいないなら、まだ完了していないじゃないか!」
Kさん:「それは、メールを見ていないAさんが悪いんじゃないですか?」
と反論し、さらに社長からの心象を悪くしました。
彼が取るべきだった行動は?
言うまでもないことですが、ベテランKさんは、
Aさん本人からメールを読んだことの確認を取るべきでした。
もし取れなければ、その旨をすぐに社長に報告すべきだと思います。
さらに、社長が叱ったことに反論したのは、余計に状況を悪化させました。
改めて、コミュニケーションの重要性
新しい環境に入れば、社長をはじめ仲間とのコミュニケーションが非常に大切です。
「何が正しいか」を主張することではありません。
「相手が何を考え、どう感じているか」を察し、
解決していくことが重要だと、私は思います。
「普通は」という言葉の定義が違う
「常識ではありえないこと……」
「私は○○したんだから、普通は問題ないのに……」
という考え方は、あなた自身の価値観です。
特に「普通」という言葉の定義は、職場ごと、人によって変わります。
先ほどの「郷に入っては郷に従え」の意味を思い出して下さい。
「常識」とか「普通」とは、あなたが経験してきた
過去の世界における定義だと、早く気づいて下さい。
ここで変にこだわって、余計な時間を使うことは、余り意味がありません。
自分の頭をさっさと切り替えたほうが良いと思います。
④経営者は「絶対的存在」だと理解する
大企業、中小ベンチャー企業など、企業の規模に関わらず、
経営に近いポジションで働かれたことがある方なら、分かって頂けると思います。
大前提として、経営者は絶対的存在です。
仮に、経営者に決断力がなく、判断がブレても、
経営者の意図を理解し、少しずつ軌道を修正していく粘り強さが、
管理職としてのあなたのミッションとなります。
あなたが「この判断が正しい」と主張しても問題は解決しません。
「何が正しいか」ではなく「経営者が何を考え、どう感じているか」を察し、
そこで近づけていくか、それがあなたの管理職としての評価となります。
その意図を理解せずに、自分の判断で物事を動かすと、
あなた自身が危険な状態に陥ります。
生殺与奪を握っている経営者
●生殺与奪(せいさいよだつ)
↓
他人を生かすか殺すかの決裁権
・・・怖い四文字熟語ですよね?
経営者との関係が悪化すると、その組織には、もういられなくなります。
そうです、退職するしかありません。
社員であるあなたは、経営者に「生殺与奪」を握られていることを忘れてはいけません。
どんなに正しかろうが、必要以上に自己主張して、
自分の立場を失わないよう、くれぐれも注意して下さい。
⑤空気を読んで動く
さて、新しい職場では、色々な場面に遭遇します。
積極的に行動する方が良いのか?
それとも、慎重にことを運んだほうがいいのか?
決まったルールはありません。
その場その場で、社長や上司、職場の空気をよく読んで、
最善の行動を取るよう心掛けて下さい。
⑥指示待ちにならない
ここは特に重要です。
とにかく、最初はスピード優先です。
自ら考え、腰も軽く、パッと動けることが大切です。
管理職でありながら、新入社員のように、若々しいイメージを保つこと。
トップの指示を待っていてNG評価
「トップが方針を明確に出さなかった」
↓
そのために、結果的に指示待ちになってしまった。
これが意外に多い感じです。
ここでは一歩前に出なければならない場面だったりします。
もし、方針が出てこなければ、自分で方針を立て、
トップに伺いを立てるくらいの積極性が必要となります。
あなた自身は仕事をやっているつもりでも、
社長がやって欲しいと思っていることをしていなければ、
「今度、中途で入った管理職は働かない」と言われてしまいます。
⑦常に自己責任の姿勢を貫き、行動する
ここでは、あなたの覚悟が問われる場面です。
●人のせいにしない。
●環境のせいにしない。
●言い訳をしない。
●自己責任の姿勢を貫く。
常に前向きに解決策を探り、実行することが、
問題を解決し、経営者の信頼を得ることに繋がります。
「私にはできません」とは決して言わないこと。
たとえ経験がないことでも、とにかくいったん引き受けること。
そこで冷静になって、何とかできる方法を考える。
実現するための「勇気」と「行動力」、「粘り強さ」が必要となります。
●自己責任の姿勢を貫けない人
●できないことを自分以外のせいにする人
●覇気のない人
上記の姿勢で臨めば、やがていつか、経営者から見放されます。
⑧上司とコミュニケーション不足にならないよう気をつける
経営トップ、あるいは直属の上司が非常に忙しく、
うまくコミュニケーションが取れないケースもあります。
そんな時、コミュニケーションを取ることを怠っていると、
微妙な行き違いが生じる可能性があります。
それを回避するためにも、日常的に良好な
コミュニケーションを保っておくことが重要になってきます。
介護関係の病院における失敗例
新しく人事マネージャー職種で着任した人の話です。
●社長「とりあえず、君は現場から入ってくれ(まずは現場を知ってくれ)」
↓
●転職者「自分は介護のことは何も知らないし、車の運転しかできないし」
という状況だったので、彼は訪問介護の運転手だけをしていたそうです。
後日、社長から「僕は君を運転手として雇ったのではない!」
と叱責を受けることになりました。
この場合のポイントとしては、
自分のやるべき仕事とトップの意図を、重ね合わせて理解する
という部分です。
もし、分からなければ、素直に聞くしかありません。
今回のケースは、自分が疑問に思うことをそのまま放置しておいたため、
行き違いが生じてしまった・・・ということになります。
なるべく対面で、口頭で伝える
早朝や夜に、さりげなく上司をつかまえる努力も必要かもしれません。
社長の机に、伝言メモや報告書を置くことで、
一方的にコミュニケーションを取っていると勘違いする人もいます。
これは一方通行であり、コミュニケーション(双方向)になっていません。
コミュニケーションとは「人間同士が、思想・感情などを伝え合う働き」です。
社長の机にメモを置いていても、社長の感情は読み取れません。
メモを見て、社長がすぐにベテラン管理職に伝えたいと思っても
そこにベテランはいないので社長はストレスを感じてしまうのです。
まとめ・・・まずは定着することが大事
はい、そろそろ終わりが近づきました。
ここまで述べてきた通り、まずは「うまく定着する」を心がけて下さい。
せっかく、管理職として転職したものの、
トップや組織に受け入れられないために「会社を辞める人」が多いと感じます。
仕事ができるできないといった、ビジネス実務の話ではなく、
コミュニケーションや認識の違いによって、ズレが生じてしまって、
最終的に「新参者が会社を去る」というケースが多いのです。
転職してきたばかりの社員=あなたは、言い換えれば、異物です。
自分が組織にとって違和感のある存在であることを認識して下さい。
特に中途入社のベテラン管理職の場合は、
社長や経営幹部と直結した関係にあるので、一般社員よりもハードルが高くなります。
危機は繰り返しやってくる
危機は、入社後1週間、1ヶ月、6ヶ月、1年と、繰り返しやってきます。
「慣れてきたな」
「だいぶ、分かってきたな」
「これでいいんだな」
と思うようになってきた時が一番危険です。(笑)
危険なタイミング
●入社後のスタートダッシュが終わって、ちょっと踊り場の時期
●だんだん、日常がルーティンに感じられ始めた時
●無我夢中から、ほっと一息ついたくらいのタイミング
ここらが一番、危険です。(笑)
気を抜くと、足をすくわれるので、注意して下さい。
また、この状況は、繰り返し現れるので、くれぐれも注意して下さい。
なので、繰り返しになりますが、入社後1年間は、気を引き締めて下さい。
中途入社の管理職が「定着する」ためのポイント3つ
「人から見た謙虚さ」
「前向きな行動力」
「空気を読む力」
この3つが、中途入社の管理職が「定着する」ためのポイントだと、私は思います。
以上、本日の記事があなたの転職活動の参考になれば幸いです。
本日も最後まで読んで頂き、有難うございました!