【40代・50代】大企業出身者が中小企業で生き残る為の鉄則
皆さん、こんにちは。
さて、本日のテーマは「中途入社した会社の中で、どう振る舞うか?」についてです。
今回は特に、大企業出身者の方にとっては、参考になる話だと思います。
なので、タイトルに勝手に【鉄則】と書いてしまいました。(笑)
最初に、ちょっとイメージして頂きたいのですが、
皆さんが転職先さがしの際に、会社の規模を比較検討されることは多いと思います。
その場合、だいたい、下記の4つのパターンだと思います。
❶大企業から→大企業への転職
(企業規模は同じなので、難易度は普通)
❷大企業から→中小企業への転職
(企業規模が違うので、難易度は高い)
❸中小企業から→大企業への転職
(企業規模が違うので、難易度は高い)
❹中小企業から→中小企業への転職
(規模は同じなので難易度は普通)
つまり、❶と❹は、企業規模が同じもの同士なので、難易度は普通です。
ただ、問題は、❷と❸のケースです。
企業規模が違うので、転職される方にはチャレンジステージになります。
特に、❸中小企業から→大企業への転職よりも、
❷大企業から→中小企業への転職の場面において、注意が必要です。
中小企業には色んな落とし穴がある
その注意とは何かと言うと、中小企業には、沢山の落とし穴があるということです。
もう一度言います、中小企業には色んな落とし穴があります。(笑)
あなたがそれを知らずに、かつての大企業で働いていた時の感覚のまま、
中小企業で働き始めると、必ず失敗します。
必ず、絶対に、10000%、失敗します。(笑)
解雇と退職を避けるために必要なもの
で、そのままいくと、あなたが非常に危険な状態に陥る場合があります。
危険な状態とは、ズバリ、解雇と退職です。
うまく組織に馴染むことができなければ、そのまま試合終了となります。
せっかく希望に満ちて転職されたのに、本当に残念で、勿体ない話ですよね?
そうならない為に、私がこの記事を書いています。(笑)
まず最初に、中小企業には、独自の価値観があることを理解して下さい。
特に、早期退職制度などで、大企業を退職されようとしている方であれば、
今日の記事は、まさに「ドンピシャ」だと思います。
まさに「転ばぬ先の杖」になると思います。
で、話は変わりますが、私は転職10回です。(笑)
転職回数が少ない方からすると、退職のベテランに見えるもしれません。
過去には、大企業(東証一部上場企業、または、その関連企業)と
中小企業(社員数20名以下の事業所)の両方で、複数回、働いた経験があります。
今日、これから書く内容は、私の実体験と、
私が転職コンサルタントとして大企業出身者の転職サポートをした時の経験。
その二つの経験から学んだことを、皆さんにお伝えしていきたいと思います。
中小企業の鉄則:時間軸を切り替える
まず最初の鉄則とは、時間軸の話です。
なお、ここでは、中小企業というくくりの中に「ベンチャー企業」も含みます。
で、本題ですが、大企業と中小企業では、時間軸が決定的に違います。
●中小企業:今日、一週間後、今月という時間軸
●大企業:今月、三か月後、半年後という時間軸
何が言いたいかと言うと、
時間に対する考え方が、中小企業の方が、タイトです。
タイトということは、シビア(厳しい)という意味でもあります。
時間的な余裕が無い中で、走り続けているのが中小企業です。
これは大企業と中小企業の両方で働かれたことがある人なら、
どなたでも感覚的に分かって頂けると思いますが、
大企業では「三か月、半年」というロングな単位で考えていた時間軸を
中小企業に合わせて「今週、今月」というショートな単位に変更する必要があります。
誤解して頂きたくないのですが、中小企業だからと言って、
別に明日つぶれるということじゃありません。(笑)
ただ、時間の区切りを短くするのが中小企業で働くための基本ルールです。
こういう書き方をすると、意味が分からない方もいらっしゃるでしょう。
中小企業で働かれたことが無い方からすると、不安に感じるかもしれません。
「中小企業って、そんなに余裕が無の?」とか、
「中小企業って、資金繰りが大変なの?」とか
「中小企業って、経営が安定していないの?」とか、
「中小企業って、社員が少ないから、いつも忙しいの?」とか
などなど、色んな理由を想像されるでしょう。
で、答えとしては、その通りです。
あなたの想像は、おおよそ当たっています。(笑)
中小企業には、さほど余裕がありません。
人材の質も、生み出すサービスも、資金的にも、大企業に負けます。
そして、その厳しい状況で働くことで、社員は鍛えられ、成長の機会が多くなります。
で、本題に戻しますと、このスピード感が圧倒的に違います。
あなたが大企業出身者だとすると、かなり急がないと危険です。
大企業時代のように悠長なことを言っていると、遅いと判断されます。
このスピード感覚を間違うと、致命傷(早期退職)になる可能性が高まります。
ここでは「仕事の時間軸を短く設定する」ということを覚えておいてください。
中小企業の鉄則:利益に貢献する
次のポイントとは、会社の利益に貢献する、です。
分かりやすいですよね?(笑)
言い換えれば、常に利益を考えて仕事をすることです。
ただし、あせる必要ありません。
あなたが中途で入社されて、その翌月からバンバン売上が上がるほど、
世の中は甘くないからです。(笑)
ここでの評価軸としては、個人で目標達成するというより、
所属部署に活気が出て、部署の業績が上向けばOKという程度です。
それだけやれれば、ほぼ合格点と言って良いと思います。
逆に、初年度に張り切りすぎると、やがて息切れして、あとが苦しくなります。
会社の業績拡大や組織の成長は、時間がかかります。
あなたの取組みが短期間で終われば、それまでの人だと思われて、
逆にあなたの信用を落とすことになります。
中小企業の鉄則:他部署のことも考慮する
新参者であるあなたは、トラブルなく組織に馴染む必要があります。
信頼を得るには、人をサポートすることが早道です。(笑)
例えば、他のセクションが困っていることで、
何か手助けできる場合は、小さなことでいいから、そっと手伝う。
目立ちすぎると「わたしはこんなに頑張ってますアピール」と受け取られます。
やり過ぎると、職場の人たちに「ウザイ人」と映ります。(笑)
なので、あくまでもさりげなくが原則です。(笑)
私はここで、他のセクションからも信頼を得ることが大切だと書きましたが、
だからと言って、いい加減なサポートしてはいけません。
得意分野でないなら、黙っているほうがマシです。(笑)
変に知ったかぶりをすると、逆効果になり、最悪です。
ここで再度、お伝えしておきますが、目立つようにしてはだめです。
自分の手柄にしたのでは、仲間からの信頼は得られないからです。
転職されたばかりのあなたにとって大事なことは「定着すること」です。
あなたが無理なく手伝える範囲で、周囲をサポートして下さい。
中小企業の鉄則:上役を上手に立てる
次は、処世術について考えてみたいと思います。
ここでのポイントは「組織の中をいかに上手に泳ぐか?」です。
「上手に泳ぐ」とか書くと、「世渡り上手」みたいな感じですよね?
普通は、世渡り上手な人って、他人からは低く見られる傾向があります。
だいたいどの職場でも、嘲笑の的になります。
ゴマすり人間とか、
八方美人とか、
イエスマンとか、
事なかれ主義とか、
米つきバッタとか、
社長の犬とか、
・・・素敵な表現がたくさんありますよね?(笑)
これらのプライドの無い人たちを見ると、
真面目なあなたは、ちょっと不愉快になるかもしれません。
ただ、ちょっと待ってください。
あなた自身の仕事の流儀、主義・主張はわきに置いておいて、
まずは私の話を聴いてください。
独断専行は反発を買う
一般的に、仕事ができる人ほど「裁量権」がある仕事を希望されます。
他人から指示されず、自分のやり方で、仕事を進めたいからです。
もちろん、誰でもそうできれば、最高です。
自分の責任範囲で、自分のミッションを完遂させる、それがプロですから。
ただ、あなたはまだ、転職直後だということを忘れないで下さい。
前の職場では経験や実績があっても、新しい職場ではゼロベースです。
上司からあなたへの信頼が、まだ成熟していないかもしれません。
そんな時に、大企業出身者のあなたが単独行動をすると、かなり目立ちます。
上司の許可も得ずに、独断専行で物事を進めると、非常に危険です。
なので、絶対にやめて下さい。
上役を巻き込んで仕事を進める
「自分にはスキルがあるので、会社にガタガタ言われる筋合いはないし」
とか、江戸時代のサムライのようなことは言ってはいけません。
まだ、感情的にならないで下さい。(笑)
結果的にどうの、ではなく、組織における意思決定のプロセスを重視して下さい。
特に大きい取引とか、会社への利益貢献度の高い仕事などは、
上役・役員・社長を巻き込んで、彼らにも働いてもらうこと。(笑)
あなたが上役をうまく使うということは、上役を立てることであり、
上役に活躍の場を作ってあげることになります。
そうすれば、あなたは上司から好かれるはずです。
上司に嫌われたら一巻の終わり
・・・話を戻します。
場合によっては、自分の上役を使った仕事の方が、
個人の成果よりも価値があると見なされることを理解して下さい。
怖いのは、逆のパターンです。
あなたがもし、単独行動で実績を上げたら、恐らく、ねたまれます。
周囲の人からは、とりあえずは褒められるかもしれませんが、
同じくらい、警戒されると思ってください。
さらに、直属の上司から嫌われたら一巻の終わりです。
その会社での「定着」は、かなり難しくなると思います。
上司があなたを外そうとするとき
具体的にどんなことが起こるかというと・・・
急に、会議に呼ばれなくなったり、
メールや資料による情報共有が減ってきたり、
あなたが主導で進めていたプロジェクトから外されたり、
上司と対話する機会が減って、何も指示されなくなったり、
このような感じで、少しずつ、確実に、干されていきます。
なぜか、あなただけが「蚊帳の外」(かやのそと)に追いやられます。
あなたは少しずつ、退職せざるを得ないような状況へ追いやられることになります。
ちなみに、これは、パワハラではありません。
上司が怒鳴ったり、脅したり、プレッシャーをかけているわけではないからです。
むしろ、その逆です。
これこそ、まさに放置プレイです。(笑)
あなたから、やる気と責任と権限を奪うことで、力の差を見せつけようとしてきます。
そうやって、時間をかけて、あなたを弱らせようとするわけです。
なので、話を戻しますと、
まず、あなたの直属の上司が、どんなタイプか?を見極めることが重要です。
どんなタイプの上司であれ、敵対関係になってはいけません。
あなたが「何を考えているか?」も重要ですが、
上司や社長が「あなたをどう見ているか?」にも、常に気を配って下さい。
最初はマメに報告、連絡、相談
この段落のアタマで上げた、
八方美人やゴマすり人間は、たしかにダメです。
プライドが無くて、信用できませんよね?
なので、ゴマすり人間に変身して貰う必要はありません。(笑)
ただし、なるべく、上司をうまく活用して、共同で成果を上げて下さい。
もちろん、会社に対して、最初はマメに報告、連絡、相談しながら進めること。
くれぐれもお願いしますが、単独行動はさけて下さい。
中小企業の鉄則:経営陣の悪口はタブー
ここは重要ポイントです。
以前の大企業であれば、多少は上司の悪口も許されたかもしれません。
新橋の居酒屋で一杯、飲んでいる時とか。(笑)
しかし、中小企業では、上司の批判は許されません。
ここは完全NGなので、思っていても、口にしないで下さい。
思うのはあなたの自由ですが、他人には言わないこと。
社長と社員の距離の近さ
これには、組織の規模感が大きく影響しています。
中小企業の場合、大企業と比較して、組織の規模が小さくなります。
サイズが小さい分、人間関係の距離が近いのです。
大企業の社長と一般社員では、ほとんど接点がありません。
社長の顔を見るのは、年初の「全社員向け挨拶」だけだったりします。(笑)
しかし、中小企業は違います。
オフィスが同じことが多く、社長と社員は、しょっちゅう顔を合わせます。
組織の規模が小さいので、人間関係も親密になります。
だから、経営陣の批判をすると一発でバレます。
中小企業にある裏の情報連絡網
中小企業には、裏の情報連絡網があるのが普通です。
あなたが入社されるずっと前から、その情報網は存在しています。
分かりやすく言うと、スパイです。(笑)
必要以上に怖がらないで欲しいのですが、
経営者は社内のいたるところに情報網を張っています。
ということは、中小企業はすべてが社長の影響下にあるということです。
それらを過度に意識する必要はありませんが、
悪口や批判は即、上司や社長に伝わると肝に銘じて下さい。
あなたが取るべき行動としては、
逆にこの情報網を利用して、経営者の尊敬すべき点、
どんな所に魅力を感じているのか?などを、人前で言ってみて下さい。
そうなると、巡り巡って経営者に伝わり、あなたの信頼度が逆に上がります。
社内の人間関係を理解する
働く期間が長くなると、あなたも社内の人間関係が分かるようになります。
誰が社長に好かれていて、誰が嫌われているか。
誰に聴いたら、社内の人事情報が入手できるか。
あなたも次第に分かってくるはずです。
それらを上手に理解しながら、一定の距離感をキープして下さい。
ただし、初めて転職される方には、ちょっと難易度が高いので、
最初の1年間くらいは、首を突っ込まない方が良いかもしれません。(笑)
中小企業の鉄則:一目置かれる社員になる
ここまで述べてきたような、転職先での鉄則を、
あなたがさりげなく実行され、
自分というものをしっかり持っていれば、
必ず社長に一目置かれる存在になれます。
その時点で、恐らく、クビになることはありません。
なので、入社から1年間が勝負だと思ってください。(キッパリ)
そこで信頼を得られれば、あなたの勝ちです。(笑)
そこまでいけば、経営者が声を荒らげることなく、快適な職場となるでしょう。
中小企業の鉄則:社長の特性を把握すること
さて、ここで、ようやく社長の話をします。
中小企業とは、3人の組織であれ、30人の組織であれ、
人数や規模に関係なく、すべて社長次第です。
新天地を求めてきたあなたがやるべきこととは、
ズバリ、社長の魅力を見つけることです。
社長の魅力とは、色々なものがあります。
決断力、実行力、先見性、人徳、発想力、
冷静さ、統率力、行動力、先見性、洞察力、
など、必ず見習うべき点があるはずです。
そこに惚れ込んでしまえば、転職先での成功確率は高くなります。
・・・よく考えてみて下さい。
誰にでも一つは良いところがありますよね?
あなた自身も、そうではありませんか?(笑)
自分にも良いところがあるなら、
会社を経営している社長にも、必ずあるでしょう。
頭で色々考えず、そこに惚れ込んでしまえば良いのです。
最終的に、社長は企業の要です。
直属の上司に惚れ込むことも大事ですが、
さらに上位概念である、社長の価値観に共鳴すること。
「価値観を共有する仲間意識」があれば、関係性が強くなります。
あなたは社長を始めとする職場の人たちと、固い絆で結びつく関係へと変化します。
まとめ:中小企業で働くことの面白さ
さて、本日は、思いついたことを一気に書いてみました。
どれも、実体験です。(笑)
これまで、大企業と中小企業で働いてみて、私が最も違うと感じる部分は人間関係です。
中小企業は一つの独立国家のようなもので、絶対王政(ワンマントップ)が基本です。
この場合の王とは、もちろん社長です。
この国家では、王の権力は絶大で、それが法律であり、世界の全てです。
従って、あなたがそこで働く以上は、王とうまく付き合っていく必要があります。
・・・人間関係に気を配る必要があります。
・・・コミュニケーション能力が要求されます。
・・・あなたの人間力が問われます。
ここまでの説明で、あなたも感じられたかもしれませんが、
自分自身の姿が見えるという部分では、中小企業はメチャクチャ面白いのです。
大企業は仕組みが出来上がっているので、なかなか個人の実力が分かりません。
その整った環境から一歩、外の世界へ踏み出すことで、
あなたの「本当の知識、経験、スキル、人間性」が分かります。
それがモロにでるから、中小企業で働くことは面白いのだと思います。
中小企業は、あなたが活躍できるステージ
そろそろ終わりが近づいてきました。
ここまでさんざん、あなたを怖がらせて、脅してきた私ですが、(笑)
最後に一つ、希望の言葉を送ります。
それは、あなたがこの鉄則さえ守れば、
絶対に活躍できるということです。(キッパリ)
それも普通レベルじゃなく、メチャメチャ大活躍できるはずです。
・・・ただし、
「いや、自分はコミュニケーション能力が低いので」
という印象を持たれた方は、現状維持をお勧めします。(笑)
以上、本日は中小企業で働くための鉄則について書いてみました。
この記事があなたの転職活動において参考になれば幸いです。
本日も最後まで読んで頂き、有難うございました!