退職理由3つと転職メリット3つ(シンプルまとめ)
皆さん、こんにちは。
さて、本日のテーマは、退職理由と転職のメリットです。
すでにお分かりだと思いますが、退職と転職はワンセットです。
これはいわば、コインの裏と表のような関係です。
退職理由3つ=「ヒト・モノ・カネ」
まず前半は、退職理由なので、早速、結論から言います。
さて、人が退職する理由は、大きく3つに集約されます。
上から多い順番に「ヒト・モノ・カネ」です。
実は、一番はぶっちぎりで、圧倒的に、人間関係です。
ちなみに、この「ヒト・モノ・カネ」は、「経営の3要素」と同じです。
それでは、一位から順に追っていきます。
これから書く退職理由は、あくまで一般的な退職理由のパターンです。
退職理由が「ヒト」の場合
ここはもう、ズバリ、人間関係が理由です。
事例を並べてみます。
●男性の場合は、自分の上司とのタテの関係が、
うまくいかないケースが多いです。●女性の場合は、職場の人間関係、同僚とのヨコの関係だったりします。
とくに女性は、派閥があったりして、
そこでつまはじきにされると、いられなくなります。●あと、よくあるケースで、
職場内に、尊敬できる人物が一人もいない。●さらに、職場のモラルが低く、
いつも他人の悪口や、噂話ばかり聞こえてくる。●また、やたらと社員参加の行事が多く、
アットホームな職場アピールを強要される。●もっと言うなら、「上司のロボット」になることを強要される。
●ワンマン社長の会社なので、
何かミスして逆鱗に触れたら、いられなくなる。
だから、言われた仕事以外はやらない。●「失敗したら部下のせい、成功したら上司の手柄」
という考え方が、会社全体に蔓延している。
パワハラのケース
当然ながら、パワハラまがい、もたくさんあります。
過去に私が面談した女性に、部下を怒鳴ったり、怒ったりするような
分かりやすいパワハラではなく「行動の自由を奪う」というパワハラ事例がありました。
何かというと、
「社長から許可を貰わないと、帰宅してはいけないルール」だったそうです。
具体的には、例えば、社長が経営会議が長引いて遅くなった場合、
その会議が終わる夜の22時まで、会社に残っておかねばならない・・・ということです。
勝手に帰宅することが、許されない職場だったそうです。
ここまでくると「監禁」というか「人質」というか「強制労働」ですよね。
ただ、その女性は、新卒で入社されたので、他の会社を知りませんでした。
なので、「世の中の会社員って、みんなこんな感じなんだ」と思ったそうです。
セクハラのケース
あと、セクハラ被害の女性もいらっしゃいました。
少人数でやっている、個人の経営コンサルタント事務所で、
初老のコンサルタント先生から、プライベートで付き合うことを強要されたそうです。
そこは都心のマンションオフィスで、他のコンサルタントが外出してしまうと、
一番えらい先生と、密室に二人きりになってしまって・・・という理由でした。
結局、その先生が自分の雇用主でもあるため、
彼女はだんだん居づらくなり、結果的に退職されたそうです。
・・・他にも沢山ありますが、以上が 、ヒト関連です。
この人間関係って、本当に難しいと思います。
当たるか外れるか、まさに入ってみないと分からないからです。
ネットの口コミとかでは問題ないと書かれていても、
自分の配属部署に誰がいるかまでは、分かりません。
本当に、運まかせ、だと思います。
退職理由が「モノ」の場合
次の退職理由は、モノです。
これはやや、こじつけになりますが、
「モノ」=「モノごと」=「しごと」だと変換して下さい。
事例を挙げてみます。
●仕事内容が合わない、つまらない。
●入社して以来、同じ部署にいるため、成長の機会がない。
●業務量が多すぎて、残業しても仕事が終わらない。
●休みの日も業務連絡の電話が入るので、
オンオフの区別がつけられない。●危険な仕事を担当しているが、
会社から安全に対する配慮がなされていない。●仕事をする上で、自分で決められる部分が
まったくなく、個性が活かせない。●同じ仕事を何年もやってきて、
さほど苦もなく、惰性でやっている状態。●自分じゃなくても、他の人がやっても、結果にさほど差がない。
●何でも屋のように便利に使われていて、スキルに専門性がない。
●いずれ機械やロボットに置き換わり、仕事が無くなる可能性がある。
●業務には無駄が多いが、それを指摘したら逆に怒られてしまう職場。
退職理由が「カネ」の場合
お金はたしかに大事です。
しかし、実は3位だったりします。
●基本的に、給料が安い。
●業界全体の給与水準が低いので、
これから結婚して家族を養うのは難しい。●残業しても、タイムカードは
「定時退社」と記入させられて、支払われない。●サービス残業が当たり前の職場であり、
残業代の話を持ち出すと、上司ににらまれる。●入社以来、昇給がない。
●そもそも、退職金制度がない。
●賞与をもらったことが、一度もない。
●年俸制の会社なので、残業代という概念がない。
●人事評価の基準がなく、
ゴマすり上手な人間が高く評価されて給料が高い。●年功序列で居座っている年配者は給料が高く、
若手は安いし、上がらない。●地方の中小企業なので、
地域全体の給与水準が、都会と比べると大幅に安い。
時間と労力の無駄づかい
この退職理由3つを並べて、改めて思うことは、
我慢することは精神衛生上、良くないということです。
転職10回の私は、たまたま、ブラック企業には出くわしませんでしたが、
それは本当に、たまたまラッキーなだけ、だと思っています。
この記事を読まれているあなたが、
どんな職場で働いていらっしゃるのか、まったく分かりませんが、
あまりにも劣悪であれば、すぐに脱出(退職)してよいと思います。
「根性が無いとか、石の上にも3年」とか、言いたい人は言うと思いますが、
私には、時間と労力の無駄づかいとしか思えません。
体を壊すだけじゃなく、
(うつ病とか)ココロを壊す人も多いと思います。
そうなったら、人生が壊れてしまいます。
ここは賢く、危険は避けるという考え方で良いと思います。
転職のメリット・3つ
さて後半は、転職のメリットです。
ちょっと明るくいきましょう。
メリットというと思い浮かぶのが
「年収が上がる」
「自分がやりたい仕事ができる」
「役職ポジションが上がる」
といったことが挙げられますが、
これらがぜんぶ叶うかは、正直なところ分かりません。
よく聞く話としては、仮に1年目の給料は上がっても
2年目以降は横ばいや、下がるかもし れません。
さらに、やりたいことも将来変わるかもしれませんし、
過去の経験が活かせない場合もあると思います。
今回は、退職・転職を決断する場面で考えたい「転職のメリット」のうち、
私が経験した中で、代表的なものを3つほど、紹介したいと思います。
メリット①新たな出会いがある
転職で会社が変わると、
それまで付き合っていた人たちとは
まったく違う集団の中で生きねばなりません。
とうぜん、社内外の人間模様も、がらっと変わります。
あなたは、新天地で、沢山の人に出会えることに加えて、
前の職場を退職した後も、関係が続く人も多いため、その人脈に上乗せされます。
つまり、あなたが転職をするたびに、1社ずつ上乗せされた人脈は増加して、広がります。
私の場合も、過去の人脈が、今の仕事で大きなウエイトを占めています。
10年以上前に仕事で知り合って、
いまだに定期的にお会いする、ちょっと年上のアニキ的存在もいますし。
逆に一回り年下ですが、
会うたびに変化しているエネルギッシュな弟分も・・・元同僚だったりします。
さらに、前職の同僚たちは、本当にさまざまな業界で活躍しています。
こうした人脈の中から、新たな仕事につながる場合もありますし、
お客さんを紹介してもらったり、お客さんになってもらったり、非常に有難い存在です。
転職エージェントである私にとって、一番分かりやすい例を挙げるなら、
元同僚が転職して、その会社で中途採用の計画があったら、
ほぼ100%、私に声がかかります。
同僚の会社から、転職エージェントの私の会社へ、
人材紹介のオーダーをもらう感じです。
もちろん、採用担当者が同僚だとは限りませんが、
求人オーダーを出してもらえるだけで、ありがたい話だと思っています。
それとは逆に、一つの会社で働き続ける場合は、
かなり意識しないと人脈は広がりません。
オフィスワークだったりすると、日々の生活は、
どうしても閉じた世界で完結しがちです。
例えばIT業界で働く友人は、
長期間続く、金融系の開発プロジェクトに参画しているため、
この数年間は、ほぼ同じメンバーとしか接していないといいます。
乗り合い馬車のように、関係性の薄い人と、上手くプロジェクトを進める手法、
人間関係構築力も、大事なビジネススキルの一つだと思いますが、
欲張りな私からすると、ちょっともったいないような気がします。
メリット②新しいスキルによりビジネス戦闘力が上がる
これからの時代、一つだけの専門スキルで生きていくのは大変だと考えています。
このブログでも紹介している書籍「ワークシフト」の中にも出てきますが、
スペシャリストではなく、「連続スペシャリスト」という概念が一番、ふさわしいと思います。
連続スペシャリストへの道
- まず、ある技能がほかの技能よりも高い価値を持つのはどういう場合なのかをよく考える。
未来を予測する上で、この点はきわめて重要なカギを握る。 - 次に、未来の世界で具体的にどういう技能が価値を持つかという予測を立てる。
未来を正確に言い当てることは不可能だが、働き方の未来を形づくる
5つの要因に関する知識をもとに、根拠のある推測はできるはずだ。 - 未来に価値をもちそうな技能を念頭に置きつつ、自分の好きなことを職業に選ぶ。
- その分野で専門技能に磨きをかける。
- ある分野に習熟した後も、移行と脱皮を繰り返してほかの分野に転進する覚悟を持ち続ける。
これは、とても大事な心構えだと思います。
例えば、今は専門性が高いと考えられているスキルが、
10年後には、まったく必要とされなくなるかもしれ ません。
(例えば、ロボットで代用できることになるかもしれません)
あるいは、一つの専門スキルしか持っていなければ、
あなたよりも賃金の安い、海外の労働者に仕事を奪われてしまうかもしれません。
ここでの重要ポイントは、
「誰があなたの仕事を奪うのか、まったく想定できない」ということです。
ライバル企業なのか、
海の向こうではたらく、
工場作業員なのか?
機械なのか?
人工知能なのか?
この近い将来、現れるかもしれない「未知の脅威」に対しては、
2つ以上の専門スキルをもってリスクヘッジしつつ、
自分の個性を出した仕事を継続していくことが重要だと思います。
更には「専門スキルの掛け算」によって、
あなたにしかない、特別な価値を出すことが重要と考えています。
私の知り合いでも、
社会保険労務士としての仕事より、
経営コンサルタントとして、名が売れている先生がいたりします。
私の場合は、人材ビジネス業界歴20年の
「人材紹介コンサルタント」ですが、
特に売りになる部分は「新規事業の立上げ」と「ゼニ儲けの仕組みづくり」です。
いつもは転職エージェントとして、
普通に紹介業務を担当していますが、
会社として新しいことをやる場合は、
私がプランニングから実行までを担当します。
過去の職場においても、
「過去に誰もやったことがない業務」
つまり「突撃隊」としての役割が多かったと思います。
もちろん、すべての業務において失敗が無く、
すべて成功だったとは言いませんが、
「ド新規の事業」ならば、他の人よりは、
多少はうまくやれると、勝手に思っていたりします。(笑)
なぜ、これを言えるかというと、私の場合は
「行き当たりばったりの、まぐれ当たりホームラン」ではなく、
「何度も再現可能な、センター前ヒット」を狙うからです。
社員個人の能力に依存せずに、仕組みにすることで、
継続的な収益化が図れ、結果的に事業が安定する
・・・と思っているからです。
メリット③変化に対する適応力
最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。
By チャールズ・ダーウィン
ダーウィンが言ったように、環境変化に適応できるものが、最後に生き残ります。
もし、転職したら、新しい職場では、早めに結果を出す必要があります。
その会社の企業文化や人間関係といった、
様々なことに適応していかねばなりません。
短期集中で、その会社のビジネスの仕組み・ルール・知識等を理解し、
その制限された世界の中で、どうやって自分の色を出していくのか?
この適応力・先読みサバイバル力は、転職を通じて、かなり鍛えられました。
というか、これこそが、転職することでしか、養われない能力だと思います。
分かりやすい例で、サッカーで例えるなら、
自分のホームゲームでの試合ではなく、
「アウェイな環境でも、結果を出せる能力」
だと思います。
それを言い換えるなら、
「全く環境の異なる世界でも、たくましく生きていける適応力」
だと思います。
・・・私はこの「アウェイ環境」が、大好きな変わり者です。(笑)
おわりに・・・退職と転職はセットじゃない
ここで皆さんにおわびがあります。
冒頭に書いたのは、間違いです。
退職と転職は、ワンセットではありません。
退職とは、
危険回避と退屈な世界からの脱出です。
転職とは、
自己成長と生物としての進化です。
転職活動が思うように進まないと、
つい目先の内定、目先の年収に気を取られてしまいがちです。
しかし、本日をきっかけとして、
ちょっとだけ、転職に対する見方を変えていただけたらと思います。
転職とは、
あなたの人生に、
深さと広がりを与えてくれるもの。
あなたの人生に
出会いと成長をもたらしてくれる機会。
と気付いて頂けたら幸いです。
本日も最後まで読んで頂き、有難うございました。