【合格見本】⑤登録販売者・自己PRと志望動機(20代・未経験者)
皆さん、こんにちは。
自己PRと志望動機の「合格者見本」シリーズ、パート5です。
本日は、ドラッグストアで働く人が持つ資格、「登録販売者」です。
*年齢:20代後半
*性別:女性
*以前の職場:介護老人ホームで介護食の調理
*持っている資格:登録販売者
*登録販売者の実務経験:なし
*転職された会社:首都圏エリアに15店ほど店舗を持つ中堅ドラッグストア
*職種:ドラッグストアの販売スタッフ
*会社規模:社員数250名
*雇用形態:正社員
タイトルに書いた通り、合格者が「実際に使用されたモノ」です。
彼女はこれで書類選考を通過され、面接も無事に合格され、元気に働いていらっしゃいます。
という訳で「転職GOLD名物・リアル合格者見本」に入ります。
(※ご本人から了解を得ています、個人情報は一切、含まれていません)
登録販売者・自己PR・合格者見本
< 自己PR >
専門学校卒業後、調理師の資格を活かせる仕事がしたいと思い、
ベーカリーショップでパン製造業務に携わりました。
その後、老人ホームにおいては、老人向け介護食の調理を担当しておりました。
調理業務では、身体が弱っている方へ栄養補助食品を提供したり、
糖尿病や腎臓病の患者様へ食事を提供する上での注意事項などを学ぶことができました。
また、服用中の薬との相互作用の影響で、禁食がある方がいらっしゃったりといった
「食事と薬との関係性」について、現場で学ぶことができました。
その後、老人ホーム在職中から「食と薬との関係性」に興味を持ち、
昨年の10月に登録販売者の資格を取得、今後はこの資格を活かした業務を希望しております。
登録販売者・志望動機・合格者見本
< 志望動機 >
登録販売者の道を志した理由は、私自身がステロイドの副作用で、
数年ほど皮膚科に通わねばならなくなり、
薬の副作用について、もっと知りたいと思ったからです。
その後、様々な薬の副作用について調べたり、
敏感になった肌には、どのようなお手入れをしたら良いのか、
肌の再生を助ける成分は何かといったことを調べていくうちに、この仕事に興味を持ちました。
過去の私がそうであったように、
薬の副作用でお困りのお客様は多くいらっしゃると思います。
それらの方々に対して、サポートがしたいと思い、この資格を取得しました。
今後は、登録販売者の業務を通じて、
お客様、おひとりおひとりの力になりたいと思っております。
仕事をする上では、まずは自分が商品を正しく理解し、
お客様へ正しく情報を提供できるよう、努力して参りたいと思っております。
店舗における登録販売者の業務とは「対人接客、医療、情報提供」という、
私が過去に仕事で経験したキーワードが一つに繋がる
「自分にとっての天職」だと感じております。
この遣り甲斐のある仕事を、貴社の現場で是非、実践したいと強く望んでおります。
また、将来的には店舗の運営・管理等にも携わって参りたいと思っております。
つきましては、面接の機会を頂けたら幸いです。
宜しくお願い致します。
以上
おさらい:登録販売者って?
ご存知の方も多いかもしれませんが、
2006年の薬事法改正によって誕生したのが、登録販売者です。
ドラッグストアや薬局などで一般用医薬品(かぜ薬や鎮痛剤など)の
販売ができる医薬品販売の専門資格のことです。
それまで、一般用医薬品の販売には薬剤師が必須でしたが、
薬剤師の人手不足により、消費者に十分な情報が行き渡らないという現実がありました。
登録販売者は薬の成分や効能をわかりやすく説明し、
副作用など注意すべき情報を消費者へ伝える、という役割を担っています。
ドラッグストア・薬局にとっては、登録販売者がいれば、
一般用医薬品の大多数を占める第二類・第三類医薬品の販売が可能になるため、
薬剤師不足を補う人材として、求人数が増えています。
今回の転職成功者である彼女は、未経験の登録販売者でした。
なので、「介護食の調理スタッフ」から「ドラッグストアの販売スタッフ」という、
キャリアチェンジとなります。
1日に2社の面接を受けて、両方とも合格した人
この「1日2社のダブルヘッダー面接で、2社とも合格」は、本当の話です。
ここだけ聞くと、すごい人だと思われるかもしれませんが、
実は彼女は普通の人だったりします。(笑)
では、なぜ、2社に応募し、両方とも受かったのか?
という話の前に、周辺状況を説明します。
彼女が応募した2社の違いはどこ?
1社目は、業界トップクラスの大手ドラッグストアです。
積極的なM&A戦略を駆使して、全国へ店舗を拡大させている業界メジャー企業です。
それこそ、誰でも知っている、お年寄りでも知っている会社だったりします。
あなたも一度は利用したことがあるはずです。(これ以上言うと、バレるのでやめます)
2社目は、中規模のドラッグストアです。
首都圏エリアのターミナル駅を中心に事業を展開している、
地域密着型の事業展開で、堅実経営のドラッグストアです。
要するに、タイプが違います。
彼女が選んだのは?
結局、彼女が選んだのは、地域密着型の中堅ドラッグストアでした。
大手ドラッグストアだと、給与は業界トップクラスですが、転勤があります。
あと、ここはどうしても避けられない部分ですが、
企業の規模が大きい為、売上重視の店舗運営になり、
各店舗に割り振られた数値目標、つまり、ノルマに追われる日々になります。
しかし、彼女が登録販売者になりたいと思ったキッカケは、
自分と同じような悩みを持つ人を少しでもサポートしたいということでした。
となると、大企業の効率性、採算性、合理化という仕組みとは相容れない部分があります。
言い換えると「お客さんとの距離が遠くなる」と感じられたため、
内定は取れたものの、大手の方を辞退されました。
大手ドラッグストアだから悪いという訳じゃない
皆さん、いろいろな意見があるのは、分かっています。
「ドラッグストア業界の大手なんて、どこもそんなもんさ」
「大企業の中にも、顧客目線で、懇切丁寧なサービスの会社はあるはず」
「辞退するくらいなら、最初から受けなければ良いのに」
そうなんです。
確かに、辞退するくらいなら、最初から応募しない方が良いですよね?
でも、彼女は「冷やかし応募」ではなかったのです。
なぜ、わざわざ大手企業を受けたのか?
その理由は、落ちまくっていたからです。
その時点では、1社も受かっていませんでした。
私と面談するまでに、大手と中堅のドラッグストアを合計6社、受けられていました。
で、ぜんぶ不合格という結果でした。
彼女から聞いたところによると、書類選考の段階で、落ちたそうです。
だから「とにかく、どこでも良いので1社、受かりたい」ということでした。
落ちた理由は準備不足
で、実際に、私がオンライン面談して分かったことは、彼女の準備不足です。
●応募書類の完成度の低さ
●面接の受け答えのまずさ
●志望動機の弱さ
●面接官の質問に対して、その場しのぎな答えを返す癖
どれもこれもダメなら、落ちて当たり前ですよね?
で、私は彼女にストレートに言いました。
やる気が無いなら受けない方がマシ
以下は、その時の、オンライン面談時の会話です。
最初の発言者は私で、それに対する返答が彼女です。
「今のままだと、何社受けても、全部、落ちるけど、どうしますか?」
「受かりたいです、アタシは、この仕事がしたいです」
「じゃあ、職務経歴書は、ぜんぶ最初から作成し直して下さい」
「分かりました」
「本気で作成して下さい、じゃないなら、あなたを推薦できませんので」
「分かりました」
「パソコンの調子が悪いなら、ネットカフェに行って、作成して下さい」
「はい、探して、行きます」
「いつ、行きますか?」
「明日、行きます」
「なんで、今からすぐ行かないんですか?」
「・・・」
「いちいち、私から指示をされないと動けない人なんですか?」
「すみません、今から行きます」
「もう一度、聞きますが、あなたは、本当に、受かりたいですか?」
「はい、受かりたいです」
「分かりました、じゃあ、その言葉を信じて、待ちます」
「はい、ありがとうございます」
「このやり取りは、あなたが合格するまで続きますが、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
「私にはあなたに対する恨みとか、ありません。単に受からせたいだけです」
「はい、充分、分かっています」
「だから、シンプルに、受かるために最善の努力をして頂きたいだけです」
「はい、ありがとうございます、よろしくお願いします」
書類作成にあたって、考えるべきこと
このやり取りの後に出来上がったのが、冒頭の自己PRと志望動機です。
なぜ、自分はこの仕事をやりたいのか?
この仕事は、自分にとって、どんな意味があるのか?
この仕事を通じて、誰に感謝されるのか?
他の仕事じゃなく、この仕事じゃないとダメな理由は?
どれも明確な言葉になって、仕上がってきました。
ここまで語っていれば、書類選考は、普通に、余裕で受かります。
20代で未経験であっても、受かります。(笑)
彼女は、おっとりタイプ
で、ここまで話を進めてきて、この章の冒頭に書いた、
【彼女が2社ともに受かった理由】について、種明かしをします。
それまでの彼女は、おっとりタイプでした。
どちらかと言えば、天然ボケ・キャラだったと思います。
しかし、面接の当日は、全く違う人間に変身していました。
見事なくらい、自信に満ち溢れて。
プロとしてやっていくという自覚=覚悟
書類作成の段階で、彼女の内面に変化がありました。
自分がこの仕事をする意義、
プロとしてやっていく「覚悟」が醸成されました。
彼女の自己PRも志望動機も、ごくごく当たり前な内容です。
その仕事を希望する人であれば、割と、誰でも書けそうな内容です。
しかし、20代で、未経験者である彼女にとっては、それが難しかった。
プロとしての自覚、覚悟が足りなかった。
その未成熟だった部分=ツメの甘さを、自力で克服されたから、受かったのだと思います。
彼女は私との面談から面接日までの2週間で、精神的に成長されました。
大人になりました。
自分で自分を強化する、短期集中セルフトレーニングだったわけです。(笑)
ちなみに、面接当日の話をすると、
私が面接で同席を許されたのは2社目の中堅ドラッグストアでした。
その時の彼女の姿は、2週間前のオンライン面談の時とは別人です。
明確な意思に基づいて、自分の意見を発表する。
プロとして仕事の責任を果たすという覚悟。
未知の領域へ挑戦していくという主体性。
・・・それが受かった理由だと思います。
私が思っていたことは?
面接の際、彼女の受け答えを眺めながら、私が思っていたことは・・・。
短期間でこんなにも変われるって、人間って凄い。
若い人って、なんと可能性に満ち溢れた存在なんだろう。
素晴らしい。
とか、普通に感心していました。(笑)
面接官と彼女のやり取りを眺めながら、
「あ、これはたぶん、受かった」と思いました。
ゾンビからトトロへのチェンジ
で、その面接の時に、受け答えの部分で変更箇所がありました。
ゾンビとかトトロだけじゃ、あなたはいったい何のことかわかりませんよね?(笑)
はい、今から解説します。
場面は面接当日、趣味について聞かれた時のエピソードです。
彼女の趣味は「音楽鑑賞と映画鑑賞」
結論から言うと【趣味】について聞かれた場合の、面接官への回答を変更しました。
ちなみに、彼女が履歴書の【趣味】の欄に書いたのは、
「音楽鑑賞、映画鑑賞」です。
これらは、まあ、よくある趣味ですよね?
で、やはり、質問されました。
面接官:「どんな音楽を聴きますか?」
彼女が好きな音楽のジャンルは、本当はヒップホップです。
しかし、面接では「マライアキャリー」と答えさせました。
はい、私が無理やり、強制的に変更しました。(笑)
神様、これくらいのウソは、許してください。(笑)
マライアキャリーは、誰でも知っている世界的に有名な歌手なので
ここは特に突っ込まれることも無く、無難に終わりました。
面接官:「どんな映画が好きですか?」
やはり、これも聞かれました。
彼女が好きな映画のジャンルは、SF、ホラー、サスペンス系です。
で、特に好きな映画は「バイオハザード」だったりします。
ミラ・ジョボビッチ主演の、ゾンビを殺しまくる映画です。(笑)
また、よりによって、あのエグいヤツです。(笑)
ただ、これもそのまま答えたら危ないので、強制的に変更です。
面接では「となりのトトロ」と答えて貰いました。(笑)
神様、どうか今回だけ、見逃してください。(笑)
ゾンビからトトロへのチェンジ
いや、気にしすぎかもしれませんが、
相手の面接官がご存知かどうか、微妙だったからです。
「ヒップホップ」と「バイオハザード」だと、ちょっとリスクがありました。
なので、誰でも知っていて、無難な答えである、
「マライアキャリー」と「となりのトトロ」へ変更しました。
トトロが当たった
結果から言うと、私の賭けが、当たりました。(笑)
面接官である、年配の60代の人事部長は、宮崎ジブリ作品のファンだったからです。
この話題では、おかげさまで盛り上がりました。(笑)
面接官と候補者で、お互いの共通点が見つかって、相互理解が深まりました。
もし、あのまま、ヒップホップとバイオハザードと答えていたら?
話が盛り上がらずに、危なかったかもしれません・・・。
神様、本当に有難うございます。(笑)
本日のまとめ・・・プロとしての覚悟
はい、ここまでお付き合い下さって、有難うございます。
先ほども述べましたが、未経験の職種へ応募される際に心がけること。
それは、プロとしての自覚=覚悟だと思います。
憧れだけじゃ受からない
単なる憧れだけで応募すると、面接官から甘さを指摘されます。
「現実はそうじゃないよ」
みたいな説教をされて、あえなく不合格です。
それはちょっと、イヤですよね?
なので、憧れとかじゃなく、
「プロとして、自分はどんな価値を提供していくのか?」という
他者の存在を意識した発言を心がければ、すんなり受かると思います。
要するに・・・仕事に対するの目線の高さです。
あなたが、未経験の職種へキャリアチェンジされる際に、
参考にして頂けたら幸いです。
本日も最後まで読んで頂き、有難うございました!