【自分のキャリア形成】適職・仕事さがしの8割は偶然から生まれる?

★ 仕事とキャリアを考える
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仕事さがしは偶然から:プランド・ハップンスタンス理論

皆さん、こんにちは。

本日のテーマは、個人のキャリア形成について・・・です。

ご紹介するのは、プランド・ハップンスタンス理論です。

基本概念としては、「個人のキャリアは、偶然の出来事によって形づくられる」です。

では、前置きナシで、いきます。

 

プランド・ハップンスタンスとは?

プランド・ハップンスタンス(Planned Happenstance)は、

スタンフォード大学の教育学・心理学教授である

ジョン・D・クランボルツ教授によって提唱された、キャリア形成に関する理論です。

日本語では「計画的偶発性理論」「計画された偶然」などと訳されます。

クランボルツは、1999年にキャリアについての調査を行いました。

< 成功を収めたビジネスパーソンを調査した結果 >

一般社会人で「18歳のときに考えていた職業に就いている人」は、全体の約2%のみ

成功したビジネスパーソンの8割は、「その成功は予期せぬ偶然の結果だ」と考えている

ご覧の通り、実に8割の対象者

「現在の自分のキャリアは予期せぬ偶然に因るところが大きい

と答えたわけで、さらに要約すると、

キャリアは偶然によって左右されることが多く、

これらの偶然をポジティブな方向に考えることで

キャリアアップにつなげることができる

というのが、この理論の骨子です。

プランド・ハップンスタンス理論のポイント

★変化の激しい現代において、

キャリアの8割は偶然の出来事によって形成される。

 

★偶然の出来事を利用して、

自分のキャリア形成に役立てる。

 

★偶然の出来事を引き寄せるよう、

自ら働きかけ、積極的にキャリア形成の機会を創出する。

以前に、このブログでも紹介しましたが、

営業職に就いた男性が、なかなか売上実績が上がらず、

会社にクビを宣告されるかと、ビクビクしていた時に、

突然、上司に呼び出され、新規事業を担当することになり、

そこで自分の適性に目覚めて、成功したという事例がありました。

 

 

これなどは、まさに自分では全く予想していなかった方向に

グイッと人生の軸が変わった例だと思います。

この「プランド・ハップンスタンス」を私なりに、解釈してみました。

まるきん流の解釈

キャリア=人生は、

偶然の連続によって、成り立っている

したがって、

自分の思い通りにいかないのが、当たり前である

 

今、自分を取り巻く状況は、

あくまで中立であり、いつも常にフラットである

大事なことは、それをどう見るかという、その人の考え方である

 

そこに意味をつけて、どう解釈するかによって、

起こっている事象は、違って見える

 

ということは、そこで起こったことを、

肯定的にとらえるか、

否定的にとらえるかによって、

その後の行動まで、大きく変わってくる

 

自分に与えられた状況、環境を、どうとらえるか、

その時の判断と行動こそが、未来を変えるポイントとなる。

・・・といった感じでしょうか。

 

過去のキャリア理論は、時代に合わない?説

従来の「キャリア」という言葉の定義では、

「キャリアアップ」という意味で、使われる場面が多かったと思います。

つまり・・・

「自分の興味や適性、能力、周囲の環境などを分析し、
目指すべき最終ゴールを設定して、年齢と共にステップアップしていくもの」

と考えられてきました。

しかし、過去に起こったことが、

さほど参考にならない2020年代の現在では、従来のような

「会社に決められたルールを守りながら、組織の中をうまく泳ぐ人生」

「常にミスをしないように注意しながら、自分の出世を考える会社員としての人生」

というアプローチ手法では、必ずしも有効とは言えません

会社に依存しないキャリア

とくに変化の激しい今の時代こそ、

自分の個性を活かしながら、

会社に依存しないキャリアを構築したり

スキル習得に励むことが必要だと、私は考えています。

 

というか、同時代に生きている、

ほとんどの人も、そうあるべきだと思いますし

このブログを読まれている

あなたにも、そうあって欲しいと思います。

 

それを一言で言うと、

会社に依存しないキャリア=自立です。

 

さて、10年後はおろか、5年後も見通せないような、

この2020年代において、現実を無視した

「ひたすら右肩上がりのキャリア」を計画することや、

そこで計画したキャリアを、ひたすら忠実にこなすだけの日々は

非常に危険だと、クランボルツ教授も指摘しています。

まるきん版・プランド・ハップンスタンスの事例

ここは、どこかの誰かではなく、私の事例があります

前に20代向けのブログ記事でも書きましたが、

私がこの人材紹介エージェントという職業と出会ったときのエピソード

この人材サービス業を選ぶキッカケが、まさに、人との出会いでした。

 

いまから20年以上前、当時20代の後半だった私は

福岡市内にある、転職エージェントを訪問しました。

そのオフィスで、私よりちょっと年上の人材紹介コンサルタント

(今で言うところのヘッドハンター)に面談をしてもらいました

 

通常であれば、求人企業を紹介して貰うのが、本来のエージェントと求職者の関係ですが、

私は、初めて会ったその人の印象が鮮烈すぎて

「ああ、自分もこの人のような仕事がしたい」と思って、

本当に、勢いだけで、人材サービス業界に飛び込みました

 

途中、会社を変わったりする事はあったものの、

業界を離れたいと思ったことは、ただの一度も無く、現在に至っています。

本当に、あっという間の20年でした。

 

また、私は、逆の立場でも事例があります。

今度は、私のキャリアカウンセリングを受けた方が、

かつての私と同じように「この仕事をしてみたい」と思われて、

まったく違う業界から人材サービス業界に転職してこられたケースです。

 

なんか、こうなると、

目に見えない糸でつながっている、20年越しのトンリレーのような感じです。(笑)

 

偶然を引き寄せる5つのスキル

さて、人との出会いが人生を変えた事例は、ここまでにしておいて、先に進みます。

先行き不透明な現代において、個人がキャリアを形成するには、

どのような行動が求められるのでしょうか。

プランド・ハップンスタンスでは、

偶然性を受け入れると同時に、

自分から積極的に、偶然の出来事を引き寄せるアプローチが重要だといっています。

それには、次の5つの行動指針が必要だとされています。

①好奇心:新しい学びの機会を模索する

興味関心のある分野にとどまらず、
普段から視野を広げるよう努めること。
アンテナを鋭敏にしておくことで、
新しいことに挑戦したい意欲が湧くこともあります。

 

②持続性:失敗しても努力し続ける

失敗してもあきらめず向き合うこと。
困難を避けたり苦手意識を持ったりすると、
その先にある可能性が閉ざされてしまうことがあります。

 

③柔軟性:姿勢や状況を変えることを進んで取り入れる

こだわりや理想にとらわれて、行動や思考を狭めないこと。
常にフレキシブルな姿勢で臨機応変な対応を心がけます。

 

④楽観性:新しい機会は実行できる、達成できるものと考える

失敗や困難もポジティブに捉えること。
何が起きても良い方向に行くと信じる態度は、
自分自身をプラスの方向に運びます。

 

⑤冒険心:行動することを恐れない

リスクを恐れず行動すること。
不確実性の高い環境において失敗はつきものです。
ある程度のリスクは引き受ける心構えが大切です。

スキル獲得のための実践編

日常生活において、どう動くべきかについて考えてみます。

①好奇心

ここでの好奇心とは「いつも何かをさがしている」という取組み姿勢だと思います。

ただし「何に対しても好奇心を持ちましょう」というような、軽めの目的ではなく、

  • 自らの意志で、さまざまなことに挑戦する、
  • 多くの場所へ足を運ぶ、
  • 人との出会いを増やす、

といった、「外部環境から学ぶ、姿勢の大切さ」だと思います。

転機は、いつ、どこで訪れるかわかりません

②持続性

持続性=継続的な努力は、キャリア形成における必須条件だと思います。

人から言われてやるのではなく、自分で決めたことを、継続すること

それが出来る人であれば、成功への確率はとても高くなると思います。

いつどんなチャンスが来るかは、分かりません。

そのチャンスを逃さないように、自分で目標を立てて、努力する必要があると思います。

試験も、スポーツでも同じかもしれませんが、準備こそが、勝利の前提条件だと思います。

③柔軟性

ここは、柔軟性と書いていますが、私なりの言い方に変換すると、

「自分のせまい価値観、せまいモノの見方で、チャンスをつぶさない」ということだと思います。

未来を変える「タネ」が目の前に現れたときに、

先入観や、過去の知識だけで「却下」しないこと。

人や物事をなるべくフラットに見て、その中で最適解をさがす。

そんなココロの余裕があれば、なお良いと思います。

④楽観性

この特性は、「仕事で役に立つ」

というよりも、「人生成功の秘訣」と言って良いかもしれません。

特に、未知の分野に向かって歩き出す際に、

「無根拠の自信、楽観性」は、とても重要です。

あなたが、自分が立てたゴール目標までのプロセスをイメージした際に、

その道のりが、

「明るいサクセスロード」に見えるか、

「暗くつらい、いばらの道」に見えるかで、全然ちがうと思います。

心理的にビビッていたら、ダイナミックな動きも出来ません。

ここでは「どうにかなるさ」という開き直りも必要だと思います。

⑤冒険心

まさに、これこそが、この理論の良いところです。

不確定な未来は、偶然によって決まってくる

だから、そこでは常に、自分の気持ちを新鮮に保ちながら、

やってきた事象に対して、冒険心を持って歩んでいこう

・・・ということだと思います。

まとめ・・・人生を構成するもの

さて、そろそろ終わりになりますが、

あなたの人生とは、下記の3つの組み合わせによって、成り立っています。

1.あなたの思想:生きる上での信条、価値観、倫理感など

2.あなたの思考:モノの考え方、行動する時のルール、やり方や手順

3.あなたの行動:実際の動き方、スピード、時間の使い方、行動の量

この3つの素材=構成要素を使って、

最大の価値を生むための手法・心がけが、下記です。

「プランド・ハップンスタンス」理論を実践するための5か条

  1. 「好奇心」 ―― たえず新しい学習の機会を模索し続けること
  2. 「持続性」 ―― 失敗に屈せず、努力し続けること
  3. 「楽観性」 ―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
  4. 「柔軟性」 ―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
  5. 「冒険心」 ―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと

つまり、

自分で常に新しい世界をさがしながら、

ゴールまでのプロセスも楽しみつつ、悲観的にならず

柔軟なスタンスでモノを見て、挑戦する姿勢

 

これが、あなただけのキャリア形成への早道だと思います。

 

難しいことではありません、

ぜひ、実践してみては如何でしょうか?

 

以上、本日も最後まで読んで頂き、有難うございました。